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Vol.17 子どもに本当に必要な学び - デジタル時代だからこそ大切にしたい五感の体験

土居郁男

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テーマ:学びの本質

家族の会話

教育の本質を問い直す - Amazonの調査結果から

下記リンクにあるようにAmazonが2025年5月に発表した「子供の教育に関するアンケート調査」によると、偏差値60以上の中学校に通う子どもの保護者の約半数が「子どもに最も伸ばしてほしい力」として「思考力」を挙げ、また、71.4%の保護者が「社会で円滑にコミュニケーションが取れる人になってほしい」と考えています。
Amazon、子供の教育に関する調査を実施――保護者の半数以
一方で、7割以上の保護者が「子どもの教育に積極的に投資したいが、何に投資すべきか悩んだことがある」と回答し、現代の保護者が教育選択に迷っている現状も浮き彫りになりました。

この結果を見て考えさせられるのは、

「子どもに何を学ばせるべきか」

という根本的な問いです。私たちは本当に子どもたちに必要な学びを提供できているのでしょうか?少し考えてみます。

デジタルだけでは育まれない、五感を通じた学びの価値

自分はプログラミングスクールを運営する立場ですので、もちろん、ITリテラシーやプログラミング的思考を身につけることは、子どもたちの将来の選択肢を広げる重要なスキルだと考えています。

しかし、それと同じくらい、いやそれ以上に大切にしたいのが、自然の中での体験、社会体験、様々な文化に触れるような体験など、五感に訴えかける直接体験の価値だとも思っています。

ずっとパソコンに向かっているよりも、自然の中で体を動かし、土や水に触れ、風や香りを感じることは、より感情豊かで多くの「目に見えない体験」に恵まれます。
こうした体験は、それ自体が「学びへの意欲」を高め、「自分で考え行動する力」を直接的に養ってくれたりするのです。

教育評論家の親野智可等氏が指摘するように、AIや生成系ツールの進化により、むしろ「知識が多いだけでは役に立たない時代」が到来してきています。だって知識でしたらAIに人間は勝てそうにないんですもの。

これからの子どもたちに求められるのは「問いを立てる力」であり、それは純粋な興味関心から生まれるものです。
五感を通じた体験は、子どもたちの中に自然と「なぜ?」という問いを生み出し、探究心を育みます。

高知県だからこそできるはず!豊かな体験学習

高知県という自然豊かな環境は、都会では得られない貴重な学びの機会が溢れていると考えています。
農業体験や漁業体験、伝統文化に触れる体験など、地域の特性を活かした活動は、子どもたちにとって何物にも代えがたい学びの場となるはずです。

「野菜を育てたり収穫したりしたことはありますか?」
「牛や馬や羊を目の前で見たことはありますか?」
「魚を上手にさばいたことはありますか?」

こういった、小さいように見えて実はとても大事な体験を通して、子どもたちは食のありがたさや自然のサイクルについて、深い意味で学ぶことができるのではないでしょうか。
生き物がコンビニで生まれて、加工されるわけではないのです。

教科書や画面上で学ぶ知識とはまったく質の異なる、「実感を伴った理解」がそこに生まれると思います。

デジタルとアナログ、二項対立ではなく共存の道を

大切なのは、デジタル教育と体験学習を「二者択一」で考えないことです。どちらか一方を選んでどちらかを排除するという考え方ではなく、両方のバランスを取りながら子どもの成長を支えることが重要ですが、私たちはついつい「あっちを取ったら、こっちはだめ」のように単純な思考に流れてしまいやすい傾向があります(><)

プログラミングで論理的思考力を育む一方で、自然の中での体験は、生きた創造性や感性、協調性といった別の重要な能力を養うことができます。
デジタルツールを使いこなす力と、実際の人間関係の中で培われる共感性やコミュニケーション能力、両方が必要なわけです。

テクノロジーを活用しつつも、それを使いこなしたり、そこから得られるものをしっかり理解することが、保護者や周りの大人たちの立場に求められている気がします。
やはり、テクノロジーは子どもたちに「与えるだけではいけない」のです。

子どもの主体性を大切にしましょう

子どもたちが主体的に体験活動を通して学ぶことは、将来の可能性を広げて、豊かな人間性を育むことにつながります。
あ、注意してくださいね。「好きなことをただ手放しにやらせるだけ」とは違いますから。

親野氏も「保護者の想いより子どもの興味を優先することが大切」と述べていますが、子どもの興味関心に寄り添い、それを深める機会を提供すること、そして、そこにちゃんと保護者も一緒に参加することこそが、真の教育ではないでしょうか。

教育投資に悩む保護者の方々には、高額な習い事や教材、目の前のテストの成績にばかり目を向けるのではなく、地域の資源を活かした豊かな体験機会にも目を向けてほしいと思います。

そして、「面倒くさがらないで、ちゃんと子どものために時間を取り分ける」ことを大事にしてほしいのです。
そこには「効率」という言葉や「都合」という言葉はいりません。

子どもたちが自然と向き合う中で「問いを立てる力」を育み、その問いを解決するツールとして「IT」を活用できる。そんな総合的な教育環境が理想的ではないでしょうか。

AIや自動化が進む社会では、むしろ人間らしい感性や創造性、共感能力が一層重要になります。
デジタル時代だからこそ、五感を通じた学びを大切にしていきたいものですね(*^^*)

みなさんは、お子さんと普段、どのように接していますか?
お仕事から帰ってきたら、お仕事の休みの日は、コミュニケーションを取りながら、ちゃんとお子さんのために時間を取っていますか?

このブログが少しだけご家庭の暖かいコミュニケーションと豊かな学び方に役立てば幸いです。

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専門家

土居郁男(プログラミング講師)

スターティングPCスクール(Stapa Programmer’s Guild)

生徒一人ひとりと対話して向き合い、本人自身も気づいていなかった強み、興味、関心、特徴などを見つけます。各自のプロジェクトを通じて、楽しみながらプログラミングを学べる、自由な雰囲気の教室です。

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