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土居郁男プロは高知放送が厳正なる審査をした登録専門家です

Vol.9 教育ではなく、「学習」を起点に考えるということ

土居郁男

土居郁男

テーマ:学びの本質

楽しそうにプログラミング
日々プログラミングスクールと学習塾を運営していると、色んな先生方同様に様々な気付きなどがあります。

今回はそのうちの1つ、「教育」よりも「学習」についてもっと深く考える必要があるのではないか、ということについて書いてみたいと思います。

きっかけは、ある一冊の本

その考え方が大好きで、ちょくちょく読んでは自分の考え方をアップデートするために使用する本の中に、オードリー・タン氏の著書『何もない空間が価値を生む』があり、その中にはこんな趣旨の言葉があります。

教育とは「どのように教えるか」に焦点が当たるが、
本当に重要なのは「どのように学ぶか」である。
オードリー・タン『何もない空間が価値を生む』

この一文は深く納得すると同時に、自分の中で大きな気づきとなるものでした。
オードリー・タン氏の著書

「教育」から見える景色、「学習」から見える景色

「教育」の視点では、子どもたちを理想の姿に導くために、環境や教材、指導方法が設計されます。これはこれで大切な営みです。
けれど、「学習」の視点に立つと、出発点がまったく変わってきます。

それは、「この子はどうやって学ぶのか?」という問いから始まるのです。
ここでは、教師は“教える人”ではなく、“学びを支える人”としての役割を持ってきます。

先生が辞書だった時代は終わった

かつては、先生こそが知識の象徴でした。子どもたちの前に立ち、お手本としての答えを示すことが求められていました。

でも、いまは違います。
ネットやAI、YouTubeなどから、子どもたちは多様な情報と出会っています。そして、ある種の「人生の哲学」さえも、親や教師に教わる前に、彼らなりですがすでに持っていたりします。

そんな時代に、「先生の言うことこそが標準的で正解であろう」とするならば、きっと子どもたちとの距離は離れていく一方なのでしょう。
だって、すでに今の時代の先生は「子どもたちよりも少しだけ早く勉強をしただけの古い時代の人」でしかありませんので、「今の時代のことを知らない」と思われているからです。
なので、むしろ先生の方が「一緒に学ぶ仲間」としての姿勢を持つことが大切なのではないでしょうか。

「話を聞いてもらう」ためには「話を聴きに行く」

現代の子どもたちは、自分の声に耳を傾けてくれる人をちゃんと見て、よく判別しています。

先生のほうで「これこそが普通で標準なのだ」と語り始める前に、生徒の話を積極的に「聴きに行く」ことがカギになりそうです。
そうすれば、子どもたちは「この先生となら一緒に学びたい」と、学びの伴走者として認識してくれます。

(まとめ)教える側が変われば、学びも変わる。

これからの・・・・というよりも少し前からすでに日本でも学びの環境において、学びの“支援者”としての先生が、より一層求められていますね。

教える側が変われば、学びも変わる。
学びが変われば、子どもたちの未来はもっと自由で、しなやかにもなる。

そんな願いをこめて、これからも「教育」ではなく「学習」から出発する場づくりをしていきたいと思います。

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土居郁男
専門家

土居郁男(プログラミング講師)

スターティングPCスクール(Stapa Programmer’s Guild)

生徒一人ひとりと対話して向き合い、本人自身も気づいていなかった強み、興味、関心、特徴などを見つけます。各自のプロジェクトを通じて、楽しみながらプログラミングを学べる、自由な雰囲気の教室です。

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