備えあれば憂いなし!「0%勇気」で面倒をなくす事前対策の思考術
はじめに
北国にも本格的な初夏の光が降り注ぎ、木々の緑が一層その色を深める季節となりましたね。函館の街も、日中は汗ばむほどの陽気となり、どこか開放的な空気に満ちています。皆さんの心にも、そんな初夏のような晴れやかな気持ちが広がっていれば良いのですが、もしかすると、年初に掲げた目標の進捗が芳しくなく、心に曇り空が広がっている方もいらっしゃるかもしれません。
年初に立てた目標が、まるで高くそびえ立つ、きらびやかな山頂のように感じられ、意気揚々とその一歩を踏み出したものの、早半年が過ぎようとする今、その山頂が霞んで見えるほど遠く感じられ、まるで分厚い雨雲が垂れ込めてきたかのように、「このままでは達成できないかもしれない…」という不安や焦りが心を覆い始めている。そんな状況に、「やっぱり自分はダメなんだ」と自己嫌悪に陥りかけているビジネスパーソンの皆さんも、決して少なくないのではないでしょうか。
しかし、どうか安心してください。目標が達成できないからといって、皆さんの価値が損なわれるわけでは決してありません。大切なのは、その状況を冷静に受け止め、今の自分に合った形に「仕分け」し直すこと。このコラムでは、自己否定のループから抜け出し、再び軽やかな一歩を踏み出すための目標再設定の“仕分け”術を、心を込めてお伝えしたいと思います。
「達成できない自分はダメ」という呪縛の正体
「目標を達成できない自分はダメだ」という思い込みは、まるで重たい鎖のように私たちの心を縛り付け、自由な発想や行動力を奪ってしまいます。この自己否定的な思考パターンは、一度はまってしまうとなかなか抜け出せない、厄介なループを生み出します。
この「呪縛」に囚われたまま進むと、一体どのような未来が待っているのでしょうか。まず、目標達成への意欲が削がれ、行動すること自体が億劫になってしまいます。そして、行動しないことによって、ますます目標から遠ざかり、「やっぱり自分はダメなんだ」という自己否定感が強化されるという悪循環に陥るのです。それは、まるで出口のない迷路に迷い込み、同じ場所をぐるぐると回り続けているような状態です。やがては、新しいことに挑戦する気力さえ失い、自分自身の可能性を閉ざしてしまうという、「最悪のゴール」を迎えてしまうかもしれません。
整理整頓をする際、まず大切なのは、今あるものが本当に「必要」なものか、それとも手放すべき「不必要な」ものかを見極めることです。それと同じように、皆さんの心の中にある「目標達成できない自分はダメだ」という考え方も、一度立ち止まって「本当にそうだろうか?」と問いかけ、客観的に見つめ直す「選択」が必要なのです。その選択こそが、自己否定のループを断ち切る最初のステップとなります。
心の荷物を軽くする「目標」との新しい付き合い方
「目標達成できないのは自分の能力が低いからだ」と結論づけてしまう前に、少し視点を変えて「目標」そのものとの付き合い方を見直してみませんか。ここでは、皆さんの心の荷物を軽くし、前向きなエネルギーを取り戻すための考え方の転換をいくつかご紹介しましょう。
一つ目は、「目標未達成は『失敗』ではなく、『貴重な学びの機会』と捉える」ということです。計画通りに進まなかったり、期待した結果が出なかったりしたとしても、そこには必ず何かしらの原因や改善点が見つかるはずです。次に活かせるヒントが隠されているかもしれません。大切なのは、結果だけを見て自分を責めるのではなく、「この経験から何を学べるだろうか?」と問いかける姿勢です。この視点を持つことで、未達成の経験もまた、皆さんの成長の糧となるのです。
二つ目は、「『大きな目標』を掲げることだけが素晴らしいのではなく、『達成可能な小さな目標』を積み重ねることに価値を見出す」という考え方です。遠くに見える大きな山頂だけを目指していると、道のりの険しさに心が折れてしまうこともあります。しかし、その山頂に至るまでには、いくつもの小さな丘や目印があるはずです。まずは、手の届く範囲の「小さなゴール」を設定し、それを一つひとつクリアしていく。その小さな達成感の積み重ねが、やがて大きな自信となり、気づけば当初の目標地点に近づいている、ということも少なくありません。それは、まるで丁寧に分類された引き出しが、日々の生活をスムーズにするように、細分化された目標が、皆さんの前進をサポートしてくれるのです。
これらの考え方は、皆さんが目標に対して柔軟に向き合い、過度なプレッシャーから解放されるための助けとなるでしょう。
今日からできる!未来を変える目標再設定の「二択」ステップ
では、具体的に「目標達成できない自分はダメだ」という自己否定ループから抜け出し、再び前向きな一歩を踏み出すために、どのような「選択」と「仕分け」を行えば良いのでしょうか。ここでは、皆さんの現状から望むゴールへと繋がる、実践的なステップをご紹介します。
【問題】年初に立てた目標が未達成のまま半年が過ぎ、自己嫌悪に陥りかけている
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【ステップ1】未達成の目標と、それに対する「今の正直な気持ち(焦り、不安、無力感など)」を具体的に書き出す
まずは、心の中にあるモヤモヤを全て紙に吐き出してみましょう。これは、散らかった部屋のものを一度全て出して、何があるのかを把握する作業に似ています。
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【ステップ2】その目標が「今の自分にとって、本当に心から達成したいことか?」それとも「他人からの期待や見栄、あるいは単なる義務感から設定したものか?」という二択で“仕分け”する
ここで大切なのは、自分に嘘をつかないことです。「本当に必要か?」という問いに正直に答えることで、手放すべき目標が見えてくることもあります。
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【ステップ3】「心から達成したい」と“仕分け”した目標に対し、「現在の状況(時間、スキル、環境)を考慮して、現実的に達成可能か?」それとも「目標が高すぎる、または抽象的すぎるため、具体的な行動に移しにくいか?」という二択で再検討する
大きすぎる目標は、達成への道のりが見えにくく、挫折の原因になりがちです。
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【ステップ4】「目標が高すぎる/抽象的すぎる」と判断した場合、「目標をより具体的で小さなステップに細分化する(例:資格取得→まずは参考書を1冊読む)」か、「達成期限を現実的なものに見直す(例:半年後→1年後)」という具体的な行動レベルの二択を選び、実行する
細分化された小さな目標は、日々の行動計画に落とし込みやすくなり、達成感を得やすくなります。
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【ゴール】自分にとって本当に大切で、かつ達成可能な目標に再設定され、日々の小さな成功体験を積み重ねることで自己肯定感を取り戻し、前向きに行動できるようになる
このステップバイステップの「選択」と「仕分け」の繰り返しが、皆さんの心を縛り付けていた重たい目標を、シンプルで具体的な行動計画へと変えていきます。それは、不要なものを手放し、本当に大切なものだけを丁寧に整理していくことで、心地よい空間と心の余裕を生み出すプロセスそのものです。
おわりに
年初に立てた目標が未達成であっても、それは決して皆さんの努力や能力を否定するものではありません。時には立ち止まり、目標そのものを見直し、今の自分に合った形に「仕分け」し直す勇気を持つことが大切です。
天気がいい日は身軽にお出かけしたくなるように、皆さんも心の重荷を整理し、新たな気持ちで一歩を踏み出してみませんか。小さな目標でも、達成感を積み重ねていくことで、自己肯定感という太陽が皆さんの心を再び照らし始めるはずです。自分自身を信じて、焦らず、自分のペースで進んでいきましょう!
このコラムで触れた「二択の繰り返しで人生を軽やかにする」という考え方について、さらに深く知りたい方は、長谷川絵里子の著作「0%勇気の決断力-二択の繰り返しで驚くほど人生が軽くなる方をAmazon Kindleにてぜひ手に取ってみてください。目標設定だけでなく、日々の様々な決断において、皆さんの心を整理し、軽々と前進するためのヒントが見つかることでしょう。