組織トップが、弱さを魅せられるか

蛯原健治

蛯原健治

テーマ:組織づくり チームビルディング 事業承継

組織と仕組みづくりパートナー/中小企業診断士の蛯原健治です。
社長がいちいち言わなくても、社員が勝手に動いて利益が2倍になる組織作りのコツをお届けします。




中日ドラゴンズ、交流戦は3勝3敗と、何とか勝率5割で持ちこたえています。
今年から監督になった井上監督、何とか踏ん張っている感じです。


交流戦初戦で3連敗したことについて
「試合運びを振り返ったら、俺自身が声を出せていなかった。
ホームグランドでは不思議と声が出た。
やっぱり声は大事だと改めて感じた」
さらに、サインを出すのに臆病になる自分に気づいたという。


やはり、指揮官が敵地で雰囲気に飲まれていたら
勝負は勝てませんよね。


この話を、記者に平気で話せるのも
自分の弱さを自覚し表明できる
井上監督の強みではないかと私は思います。


さて、この井上監督の気づきと変化は、U理論で説明できます。


U理論とは?
―イノベーションや変革を生み出す「7つのステップ」


U理論は、オットー・シャーマー氏によって提唱された変革の理論です。
特に、変化が求められるとき、
「どうすれば本質的な気づきや行動につながるか」
を7つのステップで説明しています。


以下では、それぞれのステップをできるだけわかりやすくご紹介します。


1. ダウンローディング(思い込みで判断してしまう状態)
人は、新しいことや不快なことに出会ったとき、自分の過去の経験や思い込みで反応しがちです。
まさに「こうに違いない」と決めつけてしまう状態です。ここではまだ、物事をありのままに見ることができていません。


2. 観る(冷静に目の前の状況を見る)
一歩立ち止まって、頭の中の混乱や先入観に流されず、「今、何が起きているのか?」に意識を向ける段階です。
相手の言葉や現場の状況を、フラットな目で見る力が必要になります。


3. 感じ取る(心を開いて感じる)
ここでは、自分の中の古い解釈をいったん脇に置き、「本当は何が大切なのか?」を深く感じ取ろうとします。
相手の立場に立って感じたり、組織の空気を感じたりする力が求められます。


4. プレゼンシング(未来の可能性とつながる)
自分のこだわりや恐れがなくなって、まっさらな状態で未来とつながったとき、
直感やアイデアが自然と湧き上がってくる段階です。ここが、変革の「源」になります。


5. 結晶化(新しい方向性を形にしはじめる)
浮かんできたアイデアや気づきを、言葉やイメージ、行動のカタチにしていく段階です。
「これをやってみたい」「こういう方向に進みたい」という意志が見えてきます。


6. プロトタイピング(小さく試してみる)
思いついたことを、完璧に整える前に、小さく試してみる段階です。
ここでは「やりながら考える」ことが大切。失敗も学びのうちです。


7. 実践(日常に根づかせていく)
最後は、試したことを現実の仕事や習慣として根づかせていくプロセスです。
新しいやり方や仕組みが、会社の日常の中に溶け込んでいきます。


なぜ中小企業の経営者にとって大切か?
U理論は「人の変化」から「組織の変化」へとつながっていきます。
社員が変化を受け入れ、自ら動くには、まず経営者自身が“観て、感じて、手放し、行動する”姿勢を示すことが鍵になります。





井上監督は、
自分でサインを出すことにためらいを感じていたことを認識しました。
声を出し、雰囲気を醸成するということを結晶化し
試合で試す=プロトタイピングして
チームの雰囲気を良くして、勝利に導きました。


人や組織が変わる時には
必ずこのUの谷を潜ります。


人や組織の成長支援しているときは
相手がどこにいるのかを意識してサポートしています。


人は、気づかないと動きませんから。


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蛯原健治(コンサルタント)

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チームビルディングコンサルティングにより、リアルな経営課題の解決、次世代の経営チームづくり、従業員の成長を三位一体でサポートし、持続可能な企業経営に結び付ける。

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